佐賀鍋島藩士の子孫で美術顧問として大正、昭和天皇のも使えた
執行弘道氏の孫にあたる執行草舟氏=東京都=が自身の人生を元につづった
哲学書『生くる』と『友よ』を出版した。
執行氏は食品会社を経営する実業家。15年ほど前から自身の会社の
季刊誌に書き続けた
人生論や生命論などを全面的に改訂してまとめた。
『生くる』は、読書論や運命論など、人がいきえいく上で、
考えさせられる事象を硬質な筆致でつづったエッセー集。
『友よ』は、ニーチェや王陽明、大伴家持など、
古今東西を問わず、執行氏が愛読してきた詩歌について語っている。
三島由紀夫や小林秀雄ら、執行氏が若いころに交流を持った
著名人とのエピソードなども盛り込まれている。
執行氏は「佐賀に対する親近感は幼いころからずっともっている。
私の思想も中心にあるのは陽明学と葉隠れ」と話す。
2冊の本についても「与えられた命は一回きり。この命をどう
燃焼させて生きるのか。それを考えるヒントになればいい」といい、
「『生くる』が人生の理想論で、
『友よ』が実践篇と思って読んでもらえば」と話す。
(大鋸) 佐賀新聞より