2011年2月1日火曜日

「生くる」「友よ」の著者に聞く(下) 夕刊フジ



後民主主義と物質至上主義の西洋科学思想が日本人の歴史観に

巣くっていることを憂う執行氏。親を慕う様に日本という国が歩んできた

「歴史」を愛することが真の愛国心だと語る。


.....戦後民主主義を批判しているが日本を否定しているわけではない。

「当たり前。アメリカかぶれのよくわかりもしない思想を振り回している

日本を批判しているだけで日本を愛する力は人一倍。

キリスト教社会から西洋人が生み出した民主主義は日本には必要ないし、

定着すればわがまま主義になる。(政治体制も)日本人の血にない間違ったものを

選択すれば民族は滅びます」


.....滅びるとは

「日本にという主体や文化がなくなって、この列島の上に過去からは

信じられない違う感性の生息動物が住んでいるという状態。例えば、日本の魂を

歌った和歌を全員がわからなくなれば、それはもはや日本ではなくなるということ」


.....それでも幕末のようにどん底から傑物が出てくるのでは

「幕末とは状況が違う。今も人材がいないとは思わないが、民主主義に

合う人しか出てこれないシステムがある。民主主義は今のミーハー世相に

合わせる人以外は認めない主義で人材とはそれに意義を唱える人。

明治維新の時は武士という問題意識を抱えた階層がありました」


.....幕末の偉人といえば、昨年は坂本龍馬がブームになりました

「龍馬は大嫌い。なぜなら背負ってるものがないから。わたしは

どんなに勝れてた人でも好き勝手にやってる人には魅力を感じない。

幕末でも西郷隆盛などは藩を背負い家族を背負っていた。

そういう"責任"が嫌いな今の人が龍馬に憧れるのは歴史的な必然。

無責任な人の高尚な理想が『龍馬』で下世話な例が『寅さん』

この構造が戦後の日本人の潜在意識であり夢なんだとおもいます」


.....全てを断言する

「断言できないことはしゃべらないだけ。わたしの人生で他人に責任を

持って言える事は30歳ぐらいまでのこと。それから30年、

確信を持って生きてきて間違いないと思うことを書いた。

この2冊に価値があるとしたらそれだけです」


2月1日発行夕刊フジより。