詩や文学を心の糧として生きるとはどういうことか。それがよく分かるエッセー。
ニーチェ、ホイットマン、王陽明、大伴家持、西郷隆盛、長田弘など古今東西を問わずバラエティー豊かな全45編の愛唱詩歌を紹介、それらにまつわる思い出が情感豊かに綴られている。
子供の頃から詩や文学と深く付き合ってきた著者にとってそれは真に生きるためになくてはならない友であり、恩人でもあるという。
詩や文学には理屈を超越した所で心に作用する力があるようだ。
実用書ビジネス書しか読まないという食わず嫌いの人にこそおすすめ。
三島由紀夫、小林秀雄、丸山真男、村松剛ら著者が若き日に交流した著名人たちとのエピソードも興味深い。
22 日に紹介した人生論『生くる』(講談社)と同時発売
12月24日発行 夕刊フジより。