2011年1月10日月曜日

読売新聞 執行草舟氏 インタビュー記事


<詩は魂の雄叫びなのだ、詩は人生の涙なのである>

実業家の執行草舟(しぎょうそうしゅう)さん(60)=写真=が、異色の詩歌論集『友よ』(講談社)を出版した、織田信長が愛した幸若舞「敦盛」、歌人の釈迢卯空(しゃくちょうくう)、イギリスの詩人T・Sエリオットなどの45編を力強く論じる。

「人間には心に、詩を持たなければ生きていけない。この本から、読者に好きな詩が一つでもできたら」

帝国ホテルを設計した建築家フランク・ロイド・ライトと親交のあった弘道を祖父に持つ。6歳のとき大病し「生き切った人間の言葉を文学に求めるようになった」とかたる。文学少年となり、16歳で三島由紀夫、大学時代には小林秀雄と面会した「小林さんにはじかに接すると、人間の大きさに包み込まれるようでした」

現代は食品会社の社長業の傍ら、洋画家戸嶋靖昌の記念館館長も務める。

人生論を説く『生くる』(同)も同時の刊行。生と文学を語る硬質な言葉が、現代人に勇気を与えそうだ。

2011.1.10 読売新聞P24より